LTトレーニング
有酸素運動と無酸素運動の境界値をAT値といい、この境界を超えると乳酸が急激に溜まり始める。この値をLT値という。
マラソンの持久力を低下させる原因の一つに筋肉の酸性化がある。酸性化すると筋肉疲労が起きて筋収縮力が低下する。ここで注目されるんが乳酸である。
乳酸はある一定量を超えると筋肉を酸性化させる。持久力のアップには、この乳酸を蓄積しづらい身体に変えることが大切である。それを可能にするのが乳酸性作業閾値を高めるLTトレーニングである。
持久力をアップするには、最大酸素摂取量、乳酸性作業閾値(無酸素性作業閾値)の向上、補給食の摂取タイミング、エネルギーの効率的代謝、ランニングフォームの改善等がある。
ジョギングからランニングへと徐々にスピードをアップすると、乳酸の蓄積量が急上昇する運動強度がある。その境界点をLT(乳酸性作業閾値)またはAT(無酸素性作業閾値)という。わかりやすくいうと、ウォーキングやジョギングの有酸素運動では乳酸は蓄積されないが、息が上がるような速いペースでのランニングは無酸素運動となり乳酸が蓄積される。つまり、無酸素運動を行うと乳酸が蓄積されて筋肉が酸性化、筋肉疲労が起きて持久力が低下する。
安静時の代謝割合は「脂質2:糖質1」
脂肪はいつも燃焼していて糖質よりも多くの量を代謝している。運動強度が上がると、脂質代謝(有酸素)に必要な酸素供給が足りなくなり、解糖系(無酸素)による糖代謝が増える。
そして脂質代謝と糖代謝が同じレベルの1:1になると、乳酸の蓄積量が急増する乳酸性作業閾値(LT)に達する。運動強度がさらに上がると、糖代謝がどんどん増え、大量の乳酸が蓄積し始める。
運動強度がLTを超えると乳酸だけでなく、ホルモンや栄養バランスにも悪影響が出る。このLTを超えたあたりから、いろいろなマイナス要素が発生する。持久力をアップするにはLTまたはATのラインを上げるトレーニングが必要である。
LTを上げることは、持久力アップだけでなく、運動機能や能力にも関わってくる。
【LTトレーニングとは】
乳酸性作業閾値(有酸素運動と無酸素運動の境界点)前後の運動強度を継続することで毛細血管の増加、エネルギー代謝能力、乳酸の流動性、乳酸発生の抑制、乳酸代謝能力等を向上することができる。
トレーニングの三原則として①強度②時間③頻度があるが、LTトレーニングでは「時間」が最も重要である。LT値前後の強度で60分以上継続、週3日を実行する。これを繰り返すことでLT値は上がり持久力はアップする。フルマラソンにおいては、最大酸素摂取量を増大させて短い距離を速く走る運動能力を向上することよりもLT値を上げて乳酸を蓄積しづらい身体に変えることの方が近道である。
では、LT値を計測するにはどうしたらいいのか。トレッドミルを行えばわかるが、そのような器具を使える人は一般的には少ない。そのため普通は心拍数を目安にする。
LT値=(最大心拍数-安静時心拍数)×0.7+安静時心拍数
自分の最大心拍数を知るにはどうしたらいいか。これもトレッドミルを行えばわかるが、心拍計付マラソンウォッチを購入して1000m~1500mの距離を全力で走った時に計測された最大の心拍数を把握すればよい。
また、あくまで目安だが
(220-年齢)×0.7
※女性は(210-年齢)×0.7
という算出式もあるが、普段から運動をしているランナーの人はこれには当てはまらない。
私は香港国際マラソンで心筋梗塞を発症したのがおよそ6年前。医師から無酸素運動を禁止された。運動時の目安とした心拍数は退院時が90、その後トレッドミルで検査するたびに上がり110、120、130、140…となっていった。つまり知らず知らずに行っていた心拍数を目安にした練習が、結果的にLTトレーニングになってLT値を上げていたということになる。今はクラブでインターバルを多用しているが、半年ほど前までは無酸素運動を避けるために、このLTトレーニングとジョギングのみ。心筋40%壊死という大きなハンデを抱えながらもサブ3.5目前のところまで達することができた最大の要因といえる。
スピード且つスピード持久力をつけて心肺機能を高めるインターバルやレペテーション等の練習はクラブで、それ以外の個人練習はもう一度原点に戻ってLTトレーニングを取り入れていこう。来シーズン以降の飛躍の鍵になるはずだ。
マラソンの持久力を低下させる原因の一つに筋肉の酸性化がある。酸性化すると筋肉疲労が起きて筋収縮力が低下する。ここで注目されるんが乳酸である。
乳酸はある一定量を超えると筋肉を酸性化させる。持久力のアップには、この乳酸を蓄積しづらい身体に変えることが大切である。それを可能にするのが乳酸性作業閾値を高めるLTトレーニングである。
持久力をアップするには、最大酸素摂取量、乳酸性作業閾値(無酸素性作業閾値)の向上、補給食の摂取タイミング、エネルギーの効率的代謝、ランニングフォームの改善等がある。
ジョギングからランニングへと徐々にスピードをアップすると、乳酸の蓄積量が急上昇する運動強度がある。その境界点をLT(乳酸性作業閾値)またはAT(無酸素性作業閾値)という。わかりやすくいうと、ウォーキングやジョギングの有酸素運動では乳酸は蓄積されないが、息が上がるような速いペースでのランニングは無酸素運動となり乳酸が蓄積される。つまり、無酸素運動を行うと乳酸が蓄積されて筋肉が酸性化、筋肉疲労が起きて持久力が低下する。
安静時の代謝割合は「脂質2:糖質1」
脂肪はいつも燃焼していて糖質よりも多くの量を代謝している。運動強度が上がると、脂質代謝(有酸素)に必要な酸素供給が足りなくなり、解糖系(無酸素)による糖代謝が増える。
そして脂質代謝と糖代謝が同じレベルの1:1になると、乳酸の蓄積量が急増する乳酸性作業閾値(LT)に達する。運動強度がさらに上がると、糖代謝がどんどん増え、大量の乳酸が蓄積し始める。
運動強度がLTを超えると乳酸だけでなく、ホルモンや栄養バランスにも悪影響が出る。このLTを超えたあたりから、いろいろなマイナス要素が発生する。持久力をアップするにはLTまたはATのラインを上げるトレーニングが必要である。
LTを上げることは、持久力アップだけでなく、運動機能や能力にも関わってくる。
【LTトレーニングとは】
乳酸性作業閾値(有酸素運動と無酸素運動の境界点)前後の運動強度を継続することで毛細血管の増加、エネルギー代謝能力、乳酸の流動性、乳酸発生の抑制、乳酸代謝能力等を向上することができる。
トレーニングの三原則として①強度②時間③頻度があるが、LTトレーニングでは「時間」が最も重要である。LT値前後の強度で60分以上継続、週3日を実行する。これを繰り返すことでLT値は上がり持久力はアップする。フルマラソンにおいては、最大酸素摂取量を増大させて短い距離を速く走る運動能力を向上することよりもLT値を上げて乳酸を蓄積しづらい身体に変えることの方が近道である。
では、LT値を計測するにはどうしたらいいのか。トレッドミルを行えばわかるが、そのような器具を使える人は一般的には少ない。そのため普通は心拍数を目安にする。
LT値=(最大心拍数-安静時心拍数)×0.7+安静時心拍数
自分の最大心拍数を知るにはどうしたらいいか。これもトレッドミルを行えばわかるが、心拍計付マラソンウォッチを購入して1000m~1500mの距離を全力で走った時に計測された最大の心拍数を把握すればよい。
また、あくまで目安だが
(220-年齢)×0.7
※女性は(210-年齢)×0.7
という算出式もあるが、普段から運動をしているランナーの人はこれには当てはまらない。
私は香港国際マラソンで心筋梗塞を発症したのがおよそ6年前。医師から無酸素運動を禁止された。運動時の目安とした心拍数は退院時が90、その後トレッドミルで検査するたびに上がり110、120、130、140…となっていった。つまり知らず知らずに行っていた心拍数を目安にした練習が、結果的にLTトレーニングになってLT値を上げていたということになる。今はクラブでインターバルを多用しているが、半年ほど前までは無酸素運動を避けるために、このLTトレーニングとジョギングのみ。心筋40%壊死という大きなハンデを抱えながらもサブ3.5目前のところまで達することができた最大の要因といえる。
スピード且つスピード持久力をつけて心肺機能を高めるインターバルやレペテーション等の練習はクラブで、それ以外の個人練習はもう一度原点に戻ってLTトレーニングを取り入れていこう。来シーズン以降の飛躍の鍵になるはずだ。
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