fc2ブログ

諦めの悪い奴

静岡DNFから1週間。フェイスブックでラン仲間の目標達成やPBなどの投稿を見ると空虚になる。自分は富山で良いスタートを切ったのにそこからビルドダウンしてしまい夏から秋にかけてやってきた厳しい練習がすべて台無しになってしまった。ポイント練習を週4回やるなど無茶な練習をしてきたので大事なところで足腰が悲鳴をあげた。来シーズンはもっとジョグやLSDを増やして負荷を小さくしなければ。
走っていないのでなんとも言えないが、痛みはだいぶ和らいだ。
かすみがうら走れる?
サブ3.5は無理だけどLSDでやってみようか?
今日の朝起きたら右の腰が痛い。腰痛。何故?
やっぱりかすみがうらは無理だろうか?
諦めか悪い。
スポンサーサイト



静岡マラソンDNF

去年に続いて2回目の静岡マラソン。今回はtaket さんと一緒。彼も僕と同様数年前に急性心筋梗塞で倒れた身。学生時代は陸上部で専門は800m、20年前にフルに一度出てその時は3時間15分。見てわかる通り彼だってメタボじゃない。それなの何故神様は意地悪をするんだろう。不摂生しているわけでもないのに。悔しい。
静岡
彼とは僕の急性心筋梗塞からサブ4に復活したこのブログがきっかけで知り合った。同じようにサブ4になろうと彼も頑張った。2016年11月のさいたま国際は惜しくも4時間10分。30キロから突然足が動かなくなったのだそうだ。その経験から今回は30キロ40キロのロング走を多用した。それでも今回もダメだった。

サブ4とサブ3.5二人揃って同時達成したかった。
僕は右ヒラメ筋を怪我してから4週間ノーラン。1週間前に30キロLSDをやろうとしたが途中で左腸頸に痛みが出たのでやめた。富山で痛いと感じた箇所だ。その後リスタートでジョグ、DACで4”45ペースで2000m+400mを1本だけやって静岡入りした。今シーズンサブ3.5と決めた時から静岡を想定していたので勿論本気のレース。でも足の状態を考えるるとかなり痛みと戦わなければならない感じ。両足腰から土踏まずまでテーピングでガチガチに巻いた。DACのHさんに紹介してもらったテーピングの解説本、非常に役立った。毛深いのでこんなに貼ったら剥がす時に痛いだろうなあー。

10キロ過ぎから足に違和感現れて我慢するのが精一杯。怪我した右足は重く、左アキレス腱に違和感あり、左腸頸とんでもなく痛く、尻部もパンパンで痛い。下半身がこんな距離からこんなに痛いの初めて。怪我明け練習不足がたたった結果。10キロの市街地で棄権を考えながら走ったがここでやめる勇気はなかった。でもこの痛みでは最後までもたないと感じでいた。
4分50秒〜55秒ペースで最後までという目標はなんとか中間地点までは我慢できた。でも限界。気力も根性もどんなに振り絞ってもこの痛みとあと20キロもおつき合いはできない。PB目標の3時間36分ならもしかしたら我慢できるかも?サブ4でいいなら走る歩くの繰り返しでできる。悩んだけど悪化したらかすみがうらも走れない。別大が消えていく。今シーズン最後までサブ3.5という目標は捨てたくない。今回の静岡はPBやサブ4が目的ではない。サブ3.5が目的だ。かすみがうらに夢をつなぐためにはここで無理せずやめる必要がある。勇気を出して24キロの救護センターで棄権を告げた。足が駄目ならDNFと宣言していたけど現実になるとは思わなかった。「棄権します。」と言った時、悔しくて涙が出そうになった。恥ずかしいので顔を背けた。
収容バスは最終ランナーが来ないと走らないので待ってる間が寒い。生まれて初めて乗った収容バス。この屈辱をバネに次こそ3.5絶対決めてやる。
フルマラソン、根性だけでは走れない。人生最大の敗北感。

その後病院で再検査をしたところ右ヒラメ筋は皮下血種になっており今後散らす治療をしなければならない。左は大腿筋膜張筋炎、中臀筋炎、腸脛靭帯炎と相当酷い。しばらく安静、5月連休が過ぎるまで練習はジョグのみという診断になった。今シーズンは終わった。

サブ3.5を急いだ理由

サブ3.5を急いだ理由
2012年2月香港国際マラソンで急性心筋梗塞を発症した。原因は極度の脱水。直近マラソンでトイレ待ちの行列に並んだところ整列時間を過ぎてしまい後尾に並ぶ破目になった。その悪夢を避けるため前日から水分を摂取しないという荒業で挑んだ香港。快調に走り始めたが僅か2キロ地点で突然胸が張り裂けるような押し潰されるような今までに経験したことのない鋭い痛みが襲った。無意識に胸を押さえた。間もなく心臓が停止しそうになるのを感じた。これが急性心筋梗塞だ。前日からの水分不摂取で体内の水分が不足状態に陥り、しかも香港は気温が高く湿度も高い。スタートロスの2分を取り戻すため最初からインターバルのような走りをした。2キロを7分で駆け抜け心拍と血圧が急上昇。冠動脈が突然詰まった。脱水に陥ると血液がドロドロになる。ドロドロになった血液中にあるコレステロールが固まり血栓をつくる。これが冠動脈を塞ぎ心臓に血液が行かなくなる。心臓が停止する。特にランニングのような激しい運動をしているときは血圧が高い。トレッドミルの経験がある人はわかると思うが、最大心拍数に近づいた時の血圧はゆうに200を超える。血圧が高い=血液の流れが速い。速い血流の中で血栓ができるので詰まるのも早い。
98%が詰まっていた。普通は意識がなくなり死に陥る。医師に言われたのは、いったん100%詰まった冠動脈が何らかの拍子に2%だけ開いた。2%でも血液が心臓に行けば、ごくごく稀に生きられる人がいる。それが運よく自分だった。そのかわりすぐに処置を施さないと心筋がドンドンと壊死して死に至る。結果40%の心筋が壊死した。
心筋梗塞の手術は二通り。一つは足のつけ根などの動脈からカテーテルを入れてバルーンやステントで詰まった箇所を広げるもの。ステントはそのまま放置する。松村邦洋、徳光和夫などはこの方法。胸を開かず比較的簡単にできる。
冠動脈が分岐するつけ根で詰まった場合はこの方法が使えない。バイパス手術になる。バイパスとはその名の通り冠動脈を迂回させるもの。つまり自分の他の部位の血管を冠動脈の代わりに使用。詰まった箇所を迂回させるために移植するのだ。この移植に使う自分の血管のことを「グラフト」という。私は2箇所迂回しており、1本は内胸動脈、もう1本は左足下肢(かし)静脈を使用した。動脈のグラフトは問題ない。耐久性は一生と言われている。問題は静脈。静脈は動脈に比べるとかなり細い。心臓に血液を送る動脈は負荷がかかるため太い。この太い動脈のかわりに細い静脈を利用すると圧力に耐えられなくなりいつか寿命を迎える。医師に聞いたところ静脈を使ったグラフトの寿命は個人差があるが10年~長くて20年。15年が一般的。血圧が高いとそれだけグラフトにかかる負荷が大きくなる。つまり寿命が短くなる。血圧をうるさく管理されるのはこのため。私の血圧は正常値だが、ランニングのような激しい運動をしているときは血圧が急上昇するので静脈のグラフトに悪影響を与えていることは明らか。練習するたびにマラソンレースに出るたびにグラフトの寿命を縮めていることになる。だからやみくもにレースに出ることはしない。基本になるフルマラソンが決まったら、その調整レースとしてハーフや30キロを入れるだけ。タイムトライアルや5キロ10キロのレースには基本は参加しない。
静脈の寿命が15年と仮定して、根拠はないがこれだけ走っていると寿命は半分の7~8年。つまり早ければ2019年~2020年に寿命を迎える。
グラフトの寿命が来た時の対処方法は、もう一度バイパス手術をするかカテーテルによるステント補強。そうなった場合ランニングを続けることは難しい。少なくとも記録を追い求めるような走りはできない。グラフトの寿命が8年とすれば2020年。つまり2020年の別大がラストチャンスになる。そのためには2019年春までにサブ3.5を出さなければならない。でも2020年までグラフトがもつ保証はない。だから余裕をもって2019年別大、2018年春にサブ3.5という目標を立てた。
別大はサブ3.5は今でなければならないと言った理由がここにある。
クラブのコーチには随分と心配をかけた。ポイント練習やり過ぎ、走り過ぎ、目標達成は今秋にしなさい、静岡出るな、かすみがうらもやめろ。何の心配のない健常者であるならば素直に言うこと聞いたはず。でも私には時間がない。心筋梗塞発症以来、「焦らず腐らず諦めず」コツコツと積み重ねてやっとここまで辿り着いた。走ることが可能になりサブ4にも復帰できた。3時間37分11秒というPBも達成できた。すべてが予想外。でもここまできたらサブ3.5になりたい。香港で達成するはずだったサブ3.5を現実のものにしたい。別大という大きな夢を叶えたい。
いつまでも走り続けられる訳ではない。いつか終わりを迎える。それは覚悟している。最後は自分の夢を叶えたい。細く長く生きるか(負荷を与えないファンランで長期に亘ってランニングを楽しむか)太く短く生きるか(負荷を与える走りで夢を実現する)を考えた時、迷わず後者を選んだ。自分の人生悔いなく生きる。精一杯生きる。その代り責任をもった生き方をする。すべてのリスクを理解して覚悟する。それが私の希望であり生き方だ。この決意は揺るがない。

しかしこの計画が崩れようとしている。それは怪我。静岡マラソンを決行したことによって悪化した右ヒラメ筋挫傷による皮下血腫、左は腸脛靭帯炎、中臀筋炎、大腿筋膜張筋炎…
これだけ調子が悪いと怪我を完治させない限り目標達成が難しい。かすみがうらに出走したところで良いパフォーマンスを発揮することは困難。目標達成どころか今後走れなくなることもあり得る。皮下血腫は散らす治療をするが治らなければ手術。あと1ヶ月少々で怪我を完治させ、且つ目標を達成できるようなトレーニングを行うことは至難。というか不可能。1月末から今日まで怪我でトレーニングすらできていない状態。更に怪我の状況を考えるとこれから1ヶ月間できるのはジョグのみ。
2020年にグラフトの寿命が訪れるという明確な根拠はない。確定もしていない。もっと寿命が長くなると信じて、クラブコーチのアドバイスを聞き入れて延期することにした。4月15日かすみがうらはDNS
2018年10月28日第4回富山マラソンでサブ3.5に切り替える。脚を完治させ、筋力のアップに努めてトレーニングをやり直す。焦らずにやっていく。

静岡マラソンDNFについては後日投稿する。
GO TOP